渡航後すぐ応募できるように
前回の記事で、病院のフードサービスアシスタント(Food Service Assistant)の求人にロックオンしたことをお話しました。
このポジションは、割と定期的に新たな募集が出ていたこともあり、渡航後に応募のタイミングはとれるだろうと予想していました。
渡航直後から家探しが始まるため、ある程度の就活準備は渡航前に済ませておく必要がありました。
今回のイギリス移住は1年間。なるべく早く仕事が始められるよう、就活に長い時間を割くのは避けたかったのです。
そうとなれば、早めに病院ホームページの求人で募集要項(Job description)を端から端までチェック!
Person Specification
だいたいの募集要項には、募集資格としてPerson Specification(パーソンスペシフィケーション:その職種やポジションに就く人に求められる資質や条件)が明確に記されています。
例えば、私が応募した求人で説明すると、
Essential
・Food Hygiene Certificate Level 2
→イギリスのプログラムでこれから追加で取らないといけない資格
・Knowledge of cleaning/hygiene COSHH procedures
→COSHH (健康有害物の管理規則)について理解しておけばOK
・Ability to undertake NVQ level 2 in food service
→後で説明
・Knowledge or ability to undertake working practices for providing a patient food service
→患者への給食サービスは日本での経験が証明になるのでOK
・Previous experience of working in customer/patient focused environment.
→患者重視の環境で働いた経験は日本での経験が証明になるのでOK
・Principles and criterion of Hazard Analysis of Critical Control Points (HACCP), COSSH
→HACCP(食品安全管理の手法)は日本でも触れていたのでOK
とりあえず6項目中4項目は日本の病院での経験でクリアできるようですが、2項目については調べて理解を深める必要がありました。
幸いなことに英語レベルの証明は書類審査の段階では求められていませんでした。
職種のレベルによっては「専門の分野での流暢なコミュニケーションスキル」などと記載されている場合がありますが、「TOEIC○○点以上」などのような表現はしないため、自分の英語レベルで通用する仕事かどうかは募集要項からある程度推測する必要があります。
必須資格はオンライン受講で取得可能な場合あり
1つめの項目にあるFood Hygiene Certificate Level 2は、調べるとオンラインのプログラムを受講すれば誰でも修了資格が取れるものでした。

イギリスの資格なんて持ってないよ~と焦りましたが、日本でいう食品衛生管理者などの資格の位置づけなのでしょう。
持っていない必須資格が書かれていても、諦めずに調べてみるのが吉です。
内容としては、日本の管理栄養士なら学校で習っている基本的な食品衛生の知識について動画で学び、最後の理解度テストで合格点に達すれば晴れて修了資格が付与されます。
馴染みのない英語の専門用語も日本の知識でおおむねカバーすることができます。HACCPに基づいているため、日本のマニュアルとの共通点も多く理解可能でした。
働くにあたってどの程度の内容を英語で理解すればいいのかを測る機会にもなります。資格取得ができる英語力があれば現場でもついていけるってことなのかな、と理解しました。
NVQとは?
3つ目の項目にあるAbility to undertake NVQ level 2 in food serviceについてです。
NVQとは、イギリス国内で取得される国家職業資格(NVQ: National Vocational Qualification)で飲食サービス以外にも、建築・土木やエンジニアリング・製造業、ビジネス・事務職など様々な分野に認定されています。
教室での理論だけでなく、実際の職場でのパフォーマンスや業務の達成度が評価の基準となります。
認定教育機関や職業訓練機関が提供するコースを受講し資格認定を目指すものです。

え!??やっぱり現地で一定期間、どこかで職業訓練を受けなきゃ働けない??
ここからは国語力です!(笑)
募集要項にはAbility to undertake NVQ level 2 in food serviceと書かれています。
つまり、資格や証明書の提出を求めているのではなく、その資格レベルのフードサービスを実践する能力を求めているのです!
実際の結果として、この資格がなくても仕事のオファーをいただくことができました。
私の理解では、NVQはアルバイトやボランティアなど就労経験がない人や学生が就活のためにとる資格のように思います。
つまりイギリス国外でも社会人としてその分野での就労経験がある場合、NVQ Level 2に関しては「相当の能力あり」とみなされるのかな、と考えます。
あくまでわたしの推測なので、参考までに。
母国語ではないためいつも以上に念入りに読み込み、応募先が求めていることを募集要項から忠実に理解するのがカギです。
DBSとは?
当時の私はこの時点で把握していませんでしたが、早めに知っておくと後で困惑しないのがDBS(Disclosure and Barring Service: 犯罪歴チェックと身元調査)です。
最近は、日本でも教育の現場で日本版DBSが広まりつつありますね。
医療、教育、福祉、スポーツ、宗教団体など子供や高齢者、傷病者など社会的に弱い立場の人たちに関わる現場で働く場合、DBSチェックが義務付けられています。
私が応募した病院では、オファー後に採用元の病院が料金を負担し、私は指示通りに登録作業を行っただけで完了することができました。
そのため、応募の時点で私が何かを行う必要はなかったのですが、該当職種の募集要項には必ずDBSの記載があるため、何なのかを事前に把握しておくとスムーズです。

もし、自分の手続きで日本の犯罪歴チェックが求められた場合、大使館経由で日本の警察に発行依頼をかけることになるので、かなりの時間と労力ですね…
渡航前に留学先や就職先から証明書の発行が求められている場合、日本の警察署は確固たる理由のもとに英文の無犯罪歴証明書を発行してくれるらしいです。
しかし、大学や就職先からのオファーレターがない状態では発行してくれないため、必要になるかもしれないから念のため、という理由で渡航前の発行は難しいでしょう。
こればかりは、就職先のやり方次第だと思うので、私のパターンは参考までに。
渡航前に完了していた就活準備
そんなこんなで私が渡航前に終えていた就活準備は、
・応募先の募集要項の念入りなチェック
・求められている要件を満たしておく(追加の資格取得など)
次回は、いよいよ渡航後の応募!これまた一筋縄ではいかず…
苦い思い出もありますが、詳しく書く予定です(笑)
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