材料が冷たいうちに手早く
スコーンに憧れを持ったのは確か高校生の頃。本やテレビに描かれているイギリスの世界観にどっぷりハマりました。3段のアフタヌーンティーセットの真ん中のお皿に置かれているあのスコーン。
最初は写真のようにさっくり高く膨らんでくれなくて、回を重ねるごとにコツを掴んでいったのを覚えています。コツは材料が冷たいうちに手早く生地を仕上げ、切り口をスパッとさせることです。
小麦粉の半分を全粒粉に変えてちょっぴりヘルシーに。お供のりんごジャムには生姜を少し効かせて、ほんのりシナモンの風味を加えました。温かい紅茶との相性もばっちり。黄金色のジャムがいつものおやつ時間の気分を上げてくれます。
免疫を高める3つの材料
冬は風邪やインフルエンザにご用心。甘いもので美味しい予防ができたらなんだか嬉しいですよね。まだまだコロナ禍が続く今、免疫力はしっかり高めておきたいところです。このレシピに登場する免疫を高めてくれる材料をご紹介します。
りんご(クエン酸、ペクチン)
免疫はどこで作られるかというと、腸です。腸内細菌は1000種類、100兆個も私たちの腸に生息しています。腸内細菌のバランスはひとりひとり異なりますが、善玉菌(ビフィズス菌や乳酸菌)の割合が多いほど病原菌に打ち勝つ免疫が形成されるといわれています。
善玉菌も増殖するためにはゴハンが必要です。善玉菌のゴハンとなるのが、オリゴ糖や食物繊維です。
りんごに含まれる水溶性の食物繊維(ペクチン)は、善玉菌にとって特に美味しいゴハンになるため免疫作りには大活躍です。また、りんごのクエン酸とリンゴ酸が胃腸の状態を整えてくれます。
りんごの皮には抗酸化作用をもつポリフェノールと食物繊維が豊富なため無駄なくりんごの効能を活かしたい場合は、このジャムも皮ごと作るのがよいでしょう。
生姜(ジンゲロール、ビタミンB群)
生姜は3世紀末の歴史の記録に記されていることから最古の野菜といっても過言ではありません。昔から漢方薬や民間療法などに幅広く使用されてきました。
生姜の辛味成分ジンゲロンやショウガオールには肺炎の原因となる細菌類をやっつけるはたらきがあります。また、冷え固まった細い血管を広げ、血行をよくし、身体を温めます。
生姜に含まれるビタミンB12は、皮膚や粘膜の形成に欠かせないビタミンであるため、鼻やのどの粘膜の状態を維持する効果が期待できます。
生姜に含まれる酵素は糖質やたんぱく質の分解を助けてくれるため、消化・吸収のためにフル稼働している胃腸の負担を軽減します。さらに、胃腸の血行を良くし、動きを活発にします。
シナモンスティック(香辛料)
シナモンの高い抗酸化作用と殺菌作用から免疫アップの効果が期待できます。
原料が木の皮であるため食物繊維が豊富で、整腸作用もあります。
このレシピでは色をきれいにするため、風味付けを目的としてシナモンスティックを使用しており、成分はわずかに煮出すのみです。シナモンの効能をより活かしたい場合は、シナモンパウダーに変えることでまるごと食べることができます。
シナモンパウダーを使用すると仕上がりは茶色になり風味は強まりますが、シナモンが好きな方にはおすすめです。
所要時間と栄養情報
スコーン 30分
りんごジャム 30分
難易度
5個
直径6.5㎝の丸形
栄養情報(1人分/スコーン1個)
ジャムとクリームチーズを含む
- エネルギー 287kcal
- たんぱく質 6g
- 糖質 42g
- 脂質 13g
- カルシウム 55㎎
- 食物繊維 4g
準備をしましょう!
道具
スコーン作り:
- ボール(大)
- ゴムベラ
- クッキングシート
- 計量カップ
- キッチンスケール
- 計量スプーン
- のばし棒
- スコーン型
(または薄いガラスのコップ) - 刷毛(またはスプーン)
ジャム作り:
- 小鍋(直径15~18㎝)
ホーローがおすすめ - 木べら
- ボール(大)
- スケール
- 計量スプーン
材料
1カップ=250mlで記載
スコーン:
- 薄力粉 100g(2/3カップ)
- 全粒粉 100g(2/3カップ)
- ベーキングパウダー 小さじ1
- バター 50g
- きび砂糖 40g
- 牛乳 80ml
- 溶き卵(全卵)適宜
りんごジャム:
- りんご 2個分
(皮と芯をのぞいて180~200g) - グラニュー糖 50~60g
(りんご重量の30%) - シナモンスティック1本
- レーズン 大さじ2(20g)
- おろし生姜 1かけ分(15~20g)
- レモン汁 大さじ1
お好みでトッピング用のクリームチーズ
※バターと牛乳は使う直前まで冷蔵庫で冷やしておいてください。
作り方
スコーンを作る:
- ボールに薄力粉と全粒粉、ベーキングパウダーを入れ、手で混ぜ合わせます。
- 1~2㎝角に切った冷たいバターを入れ、指でひねるように小麦粉に馴染ませます。
- 小麦粉全体にバターが回り、湿った砂またはそぼろのような状態になったら砂糖を加え、手で全体に混ぜ合わせます。
- 冷たい牛乳を加え、手で捏ねます。ボールの内側についた粉もすべてひとまとめにします。生地がまとまる頃にべたつきはなくなります。もし、生地が手にべたべたとつく場合は小麦粉を大さじ1~2ほど追加してみてください。
- 台に軽く打ち粉をし、生地を取り出します。手やのばし棒である程度、平たくしたら半分に折りたたみます。2㎝ほどの厚さに伸ばしたら、4個分を型抜きします。最後の半端な生地は手で1個にまるめます。
- 溶き卵を刷毛やスプーンで表面に薄くのばします。
- 天板にクッキングシートを敷き、間隔をあけて生地を並べます。
- 220度に予熱したオーブンで12~15分焼きます。ラックに取り出し、冷まします。
りんごジャムを作る:
- 皮と芯を取り除いたりんごをいちょう切りにし、塩水につけます(変色を防ぐため)。
- 小鍋に水気を切ったりんご、砂糖、シナモンスティック、おろし生姜を入れ、蓋をして弱火で10分煮ます。
- 蓋をあけ、レーズンを入れます。時折、なべ底から全体をかき混ぜながら10分煮ます。形が残っている場合はお好みで崩しながら煮ます。
- 汁気がなくなったら火を止め、レモン汁を加え混ぜます。
クリームチーズやクロテッドクリームと一緒にたっぷりスコーンにのせて召し上がってください♪
メモ
- 型をコップで代用する場合は、薄いガラスのコップなどが切り口がきれいになり、高く膨らみやすいです。
- ジャム作りに使用する鍋は、熱伝導がよい銅やホーローがおすすめです。アルミは酸に弱いためジャムが変色する可能性があります。ステンレスは焦げ付きに注意してください。
- マスタードシードやクローブ、カルダモンなどのスパイスを追加しても美味しいです。
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